HERE NOTE|黒川雅之

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STAGE

swarm of shelf

STAGE

swarm of shelf

物はそもそも神々や魂として畏怖の感覚を持って生まれた。それらは使用するというより、畏怖の感覚を感じながら、付き合い、操作する道具だった。

その道具が使われないでいる瞬間がある。この使われない瞬間、道具は目的から外れ、機能を失っている。このとき、道具はアートと同じように、いや添え以上に大切な何かを伝えている。

道具がその目的を離れ機能を発揮しない時、道具は聖的な存在になる。実体の働きを終えて意味さえも失ってメタフィジカルな存在になる。

このステージはそのような存在となった道具たちが待機する場であり、それ以上に、その聖的な存在を表現するステージである。

一つの棚のユニットは十分と言えないか弱い存在であるが、もう一つと繋がり、最後の側板を付加することでしっかりとした構造体になるように仕組んである。未完成な人間が群れになって助け合うように、一つの棚は未完成な状態でいる。

棚と棚のあいだには間がある。そこは透けて向こう側が見えるのだが、ここにLED照明を装着すると、壁が明るくなり棚はシルエットになって見えてくる。